ジャータカ絵本:はなのかんむり

ジャータカ絵本:はなのかんむり 表紙
ジャータカ絵本:はなのかんむり 表紙
ジャータカ絵本:はなのかんむり 1-2
ジャータカ絵本:はなのかんむり 1-2
ジャータカ絵本:はなのかんむり 3-4
ジャータカ絵本:はなのかんむり 3-4

ジャータカ絵本:はなのかんむり 5-6
ジャータカ絵本:はなのかんむり 5-6
ジャータカ絵本:はなのかんむり 7-8
ジャータカ絵本:はなのかんむり 7-8

ジャータカ絵本:はなのかんむり -910
ジャータカ絵本:はなのかんむり -910
ジャータカ絵本:はなのかんむり 11-12
ジャータカ絵本:はなのかんむり 11-12

ジャータカ絵本:はなのかんむり 13-14
ジャータカ絵本:はなのかんむり 13-14
ジャータカ絵本:はなのかんむり 15-16
ジャータカ絵本:はなのかんむり 15-16

 

「はなのかんむり」ジャータカえほん

 出版 財団法人 鈴木学術財団
 え いわさき・ちひろ
 ぶん 石森延男

この絵本の裏表紙には次のように書いてあります。

  「はなのかんむり」について
「カッカール」という花の名を聞いたことがありますか。
「天上の花」という意味です。
「カッカール華本生」(南伝大蔵経第三二八)では、これは大変香気が高くて、天人がこの花をつけたところ、一つの都がすっかりその香りにみたされたと語られています。
天人にふさわしいこの花は、あまりに美しくまた香ぐわしいので、猿のポータでなくても街の人たちもまた、欲しいと思ったにちがいありません。
でも大人たちには、思いきってそれを願ってみることができませんでした。
ポータだけがそうしました。
欲しいものを欲しいといって、そのためについ、こどもらしい可愛いうそをつきました。
うそをついている時も、ポータにはそんなことはどっちでもよくて、ただもうどうしてもカッカールの花が欲しくなってしまったのです。
美しい花が優しい天人の手から次々とポータに与えられると、ポータは嬉しくて嬉しくてなりません。
ところがそれで冠を作ってかむると、とろうとしてもとれないばかりかだんだん頭に食いこんで、ポータははじめてさっきのうそはいけなかったと気がつきました、
カッカールの花を貰うのには、それにふさわしい資格があったのです。
天人にあやまって、冠をとってもらったポータには、はっきりとそれがわかったのでした。