佐藤忠良・若い女 夏・旭川市5条買物公園

佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-1
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-1
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-2
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-2

Blog摘楊花一覧(佐藤忠良)

 

佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園

 

佐藤忠良の「若い女・夏」の像は旭川市5条通り買物公園に設置展示してある。

 

プレートには「若い女・夏 Young Woman, Summer 制作年 1972 佐藤忠良 SATO Churyo 」とある。 (149.0×77.5×51.0 )

 

このブロンズ像の後の木が大きくなって、木の葉が繁っているので見えづらい。

この像に覆い被さるような葉っぱを早く剪定してくれないかなと思う。

 

旭川市の買物公園の2条通りにある「若い女」と5条通りにある「若い女・夏」のモデルは共に、佐藤忠良の弟子の笹戸千津子である。

 

佐藤忠良著「つぶれた帽子」には次のように書かれている。

 

「『チコ』(四十五年)というのは東京造形大学の私の彫刻教室の第一回卒業生、笹戸千津子嬢のことである。学生時代から皆でチコと呼んでおり、卒業以来、私のアトリエへ通ってきているので、彼女をモデルにしたものも多い、今は私と同じ新制作の彫刻の会員になった仲間なのだから、もうチコなどと呼び捨てにはできない。『帽子・夏』(四十七年)は、彼女のつぶれた帽子が面白くて、かぶせてモデルにした作品である。ちゃんとしたふつうの帽子だったのが、上に洋服の空き箱を乗せておいたため、変形してしまったのだという。初めは当時はやり始めていたパンタロンをはかせ、立たせてみたのだが、焦点が帽子と広がった裾の両極に行ってしまい、あれ? 何を作ろうとしているのかなと、自分でもわからなくなってしまった。これでは駄目だと、パンタロンの裾を切ってしまい、腰かけさせた。・・・・・(中略)・・・・・それだけに『帽子・夏』は、かなり時間のかかった彫刻であった。本当はこの年、これと一緒の新制作展に出した『若い女・夏』の方が、私としては本命のつもりだったけれども、いざ出してみると帽子の方が評判になってしまった。これをきっかけに笹戸嬢には随分帽子のモデルになってもらった。四十八年の『帽子・あぐら』、四十九年『帽子・立像』、五十年『カンカン帽』、五十四年『帽子・冬』、などだが、おかげさまで二つの大きい賞をもら、『帽子・夏』は東京国立近代美術館に、また収蔵になった。」

(佐藤忠良著「つぶれた帽子」146~149頁より)

 

佐藤忠良自身としては、あの有名になった「帽子・夏」よりも、この「若い女・夏」の方が自信があったのだが、しかし、新制作展での評価は圧倒的に「帽子・夏」の方に集まったのだと云う。

 

佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-3
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-3
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-4
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-4

佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-5
佐藤忠良「若い女・夏」旭川市5条通り買物公園-5